付知町の築百年以上の家屋。これからリノベーションに入ります。

2月に覚悟をきめて新規事業の準備をはじめ
10か月後の12月に一つ目の物件を手にしました。
付知町に百年以上建っている三尾家です。
新築のころは土間が長く厩があり田の字型に作られた和室だった家屋です。

この家で三尾家は四代がすごし今は新しいお家に住んでみえます。
最近の14年間には借家人が五人代わり僕で6人目です。
大家さんである三尾さんのご厚意で、家の中は自由にリノベーションできます。

まずは、屋外にある汲み取り式トイレを、室内でシャワートイレにするために
水道やさんと一緒に現地下見をしてきました。

百年以上建っている、山の湿気、セメント瓦のための屋根の痛み
借家五人を経てのやっつけてきな補修などがかさなって
正直お家の状態はよくありません。
でも、家主さんの家を見るまなざしや説明から
「あぁ、このお家に思い出と愛着があるんだなぁ」と伝わってきます。

自分が定住するためなら、家一軒建て替えたほうが早いでしょう。
ですが、家にまつわる物語は、田舎に興味を持ってもらうには必須です。
百年以上前に、ここに家を建てようと思った人の気持ちになって物件をみたら
道から少し石組みしたほんの少し小高い見晴らしが気持ちよい。
後ろにある山に守られた安心感、竹やぶや紅葉、柿の木や植木
すり減った石段に、土間、厩後、ふろ場のタイルなど
生活の声が聞こえてきます。

文化財的な価値ではなく、人の物語的な価値。
普通の家族が、普通の暮らしを続けてきたおうち。
このお家で、田舎暮らしを体験したい人や
おばあちゃんちに遊びにいったみたいなのんびりした時間と
何もない退屈な時間とを過ごしてほしい。
ゲストハウスと、小さなカフェとで。

屋根瓦の状態が悪く
手を入れても屋根は手を入れられません。
おそらく10年ほどしか持たないでしょう。
それでも10年はこの家と挑戦してみたいのです。

最低限のリノベで10年はこの家を持たせて
10年の間に、僕らの田舎「付知町」に愛着を持つ人を
一人でも増やしてみたい。

ゲストハウスの名前が決まっていませんでしたが
「付知ばあちゃんち」に決めました。

昨日の縁側からの風景はこんなでした。

この田んぼに稲が植わる春には
あなたにも遊びに来てほしいです。
いっしょに小さな苗が植わった田んぼをながめお茶を飲みましょう。

これからリノベーションの様子を報告していきますね。